ホーム > クリエイトの眼 > 第3回 「工夫がカタチになる、それがものづくりの醍醐味。」

クリエイトの眼

第3回 事業推進センター 担当部長 広瀬 智

デンソークリエイトが設立されたのは1991年。当時から私は、開発者として数多くのプロジェクトに携わってきました。車載制御、組み込みOS、エンジン制御、携帯電話ソフト、ナビ開発…。
現在私は、デンソークリエイトが最も得意としているカーナビのHMI開発部隊をまとめる室長として、プロジェクト統括管理にあたっています。私が入社した当時、カーナビは現代ほど普及しておらず機能も多くはありませんでした。しかし、今となってはクルマに欠かせないアイテムとなっています。そのカーナビも車両メーカーによって仕様が異なるだけでなく、同じメーカーでも車種によって機能や見た目が変わってきます。そのため、車種ごとの開発チームが必要になるので、HMI開発全体になるとチーム数がとても多くなります。総勢50名を超える部隊を統括する室長としての責任は大きいですが、優れた技術を持つ仲間が揃っているので、とても心強いですね。

事業推進センター
担当部長
広瀬 智
設立時から、エンジン制御、組み込み系ソフト開発、ナビ開発などを担当し、当社の成長に携わってきたメンバーの一人。さらに、東京にて技術営業の経験を持ち、お客様の立場になった「わかりやすい提案」をモットーとする。2006年4月より、HMI開発現場である、プロジェクトセンターシステム1室を統括する。

私は理学部出身なんですが、実は、ソフトウェア開発の道に進もうとは思ってもいませんでした。卒業後は教師になろうかと教員試験を受けたくらいですから(笑)。ただ、子供の頃からプラモデルなどを作って遊ぶのが好きでしたので、ものづくりには興味がありましたね。ちょうど大学4年生の時、クルマに関する研究開発に携わっている方の話を聞く機会があったんです。私は、その話にあっという間に引き込まれ、開発者としてものづくりに携わる仕事に就きたいと思いました。そして、希望が叶い開発の道に。すぐにソフト開発に携わりましたが、慣れるまでは苦労しましたね。なにしろ私はパソコンすらあまり触ったことがなかったので、タイピング練習からのスタートでした(笑)。

立場も仕事も大きく変わった技術営業。多くのものを得た貴重な経験。

開発者としてわずかながらも着実に経験を重ねていましたが、2000年に技術営業として東京への赴任という転機が訪れました。当時、自動車業界にとどまらず、ものづくり業界全体でもコンピュータ化が進み、ソフトウェアの需要が非常に高まっていました。そのため、デンソークリエイトの高い開発力を関東にも発信するべく東京に営業所を立ち上げたんです。 今までやっていた仕事とは180度違っていたので正直、最初は戸惑いました。受注につなげるまでのお客さんへの提案など経験したことのないものばかりでした。お客さんを新規に開拓する難しさを身にしみて感じましたね。そこで私が心がけたのは「工夫」すること。お客さんにあるシステムを作って欲しいと言われても、お客さん自身もイメージが曖昧なことが多いんです。ですから、要望をしっかりとお聞きし、プロトタイプを作って、見える形にしてから提案をする。すると、「すごくわかりやすいね」とお客さんに認めてもらえました。これも技術面に携わっていた経験があったからできたんだと思います。試行錯誤しながらも、工夫を重ねて提案したものがお客さんに喜んでもらえたときは嬉しいの一言ですね。

また、東京で技術営業を担当したことによって、名古屋の開発部隊を客観的に見ることができたのはとても貴重な経験でした。自分が開発部隊の中にいたときは見えなかった弱点や改善点が、離れてみると見えてくるものなんです。例えば、長く取引をしているお客さんであれば、お互い近い存在なので、状況によっては暗黙の了解で事が進むこともありました。しかし、東京での新規のお客さんには決して妥協は許されません。納期も含め、全てにおいてきっちりと要望に応えなければ、デンソークリエイトとして責任を果たしたことにはなりません。ですから、お客さんに満足いただける製品を作るためにも開発のチーム力強化など課題解決にも心がけました。
さまざまな経験を得ることができた技術営業時代は、私にとって大きな財産となっています。

室長として描いたビジョンを現実のものに。

2004年、開発業務が忙しさを増してきたため、私は名古屋に戻り、プロジェクトマネージャーとして再びカーナビのHMI開発に携わることになりました。戻ってきてまず感じたことは、開発環境が激変していたということ。以前にナビ開発を経験してはいましたが、なにしろ10年以上も前でしたので、機能の数が比べものになりません。技術の進歩とともに開発体制も刷新され、同じ「ナビ開発」とはいえ、全ての状況が変わっていたんです。4年間のギャップに驚かされましたね。そこで、私は開発チームをまとめる立場として、プロジェクトの管理を特に意識しました。開発の規模が大きくなったこともあり、いかに管理するかが求められるようになったのです。

室長という立場になった今も、技術営業で得た経験はしっかりと活きていますね。最も感じるのは、お客さんとのやり取り。曖昧なまま進んでいかないようにお客さんと意思疎通を図ることを徹底しています。また、プロジェクトセンターシステム1室の理想のビジョンをみんなが追求し、少しでもそれに近づけるようにしたいですね。そのためには、積極的に新しい技術を取り入れ、工夫を重ねながら取り組むこと。そうすれば喜びと達成感を得られるはずです。
自分が懸命に取り組んだだけカタチに現れて評価が見える、それがこの仕事の醍醐味ですね。